【女性の転職事情】転職経験者340人にアンケート調査

転職を考えてはいても、「どのような基準で転職先を選んだらいいのか」「今のスキルで転職できるだろうか」と悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。

今回は転職経験のある女性340人にアンケート調査を実施し、「転職先を選ぶときに重視した条件」や「転職で役立った資格・スキル」を聞きました。

【調査概要】

  • 調査対象:転職経験のある女性
  • 調査期間:2024年7月23日~8月6日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:340人
  • 回答者の年代:10代 0.9%/20代 64.6%/30代 26.2%/40代 7.1%/50代 1.2%

※アンケート中の年齢は、すべて転職当時のものです。

当アンケート調査が転職するかどうかの判断材料として、少しでも参考になれば幸いです。

女性340人が選んだ転職理由1位は「人間関係が悪かった」

女性の転職理由ランキンググラフ

転職経験のある女性340人に「転職理由」を聞いたところ、1位は「人間関係が悪かった(98人)」でした。

2位「仕事量・残業が多い(54人)」、3位「収入面での不満(36人)」と続きます。

10代から50代まで、幅広い年代から「職場の人間関係」という声が寄せられました。

「ジョブチェンジ」や「スキルアップ・キャリアアップ」よりも、今の人間関係から逃れることを目的とした人が多いとわかります。

また結婚や出産といったライフステージの変化にともない、「残業が多すぎる仕事は困る」と感じている女性も目立ちました。

1位 人間関係が悪かった
  • 上司のパワハラやモラハラが酷かった。職員が有給休暇を取る時は必ず機嫌が悪くなり、「私が若かった頃はそんなもの取らせてもらなかった」等と毎回嫌味を言われたり、子育てのことやプライベートな部分にズカズカと入ってきたりした(23歳)
  • 職場にずっと馬の合わない先輩がいて、耐えながら働いていたものの、誰かのミスを私がやったと言って吹聴されたことで限界が来たから(28歳)
  • 女性の先輩・同僚との関係性に疲れたことです(34歳)

1位は「人間関係が悪かった」でした。

人間関係が悪い職場だと、仕事のモチベーションが下がったり業務効率が落ちてしまったりします。

例えば「新人として入ったのに、先輩が意地悪で仕事を教えてもらえない」といった状況だと、入社早々に心がくじけてしまいますよね。

人間関係が原因で心身に不調をきたすことも考えられるため、努力しても改善できないようなら異動や転職を検討すべきでしょう。

2位 仕事量・残業が多い
  • 勤務時間が長い上に不規則であり、体力的に辛かったため(27歳)
  • 業務量が増えているのに対して、マンパワーは増員がないまま仕事量ばかりが増えてきて、心身ともに持たないと思ったことが一番の要因(53歳)
  • 残業が多く、子供のお世話がおろそかになった(45歳)

2位は「仕事量・残業が多い」でした。

「深夜まで残業」「仕事量が多すぎて心身ともに疲弊した」といった体験談が多く寄せられました。

業務量や残業が多い要因としては「人が足りない」「個々人の負荷を考慮しない業務分担」などが考えられます。

スタッフが疲弊しているのに、新たなスタッフの採用や自動化・効率化といった対策がとられない職場なら、転職したくなりますね。

3位 収入面での不満
  • 給与が安く、昇給額も微々たるものなため金銭的な不安を感じた(24歳)
  • お給料と仕事内容がつりあわなかった(45歳)
  • 年収が低い業界だったから(31歳)

3位は「収入面での不満」でした。

「今の収入が少ない」という人もいれば、「昇給の見込みがない」という人もいました。

昇給する見込みがないと、将来の生活が不安になりますよね。

また、収入と仕事内容・量が釣り合っていないと感じ、転職を決意した人もいました。

働きや能力に応じた収入を得られていないと感じている女性もいるのですね。

4位 ライフステージの変化
  • 離婚をきっかけに手に職をつけたいと思いました。全国どこでも場所を選ばず、年齢を重ねても続けられる仕事を目指しました(27歳)
  • 子育てがあり融通のきく会社へ転職しました(25歳)
  • 結婚、出産しても働き続けたかったから。以前の職場は早朝、深夜も含めたシフト制だったので、仕事を続けるのは難しいと感じました(30歳)

「ライフステージの変化」が4位でした。

ライフステージの変化としては、「結婚」「出産」「子どもの進学」「離婚」などが挙げられました。

ライフステージが変わる前から勤務している会社では、「出産を経ての職場復帰」「子どもの状況に合う時短勤務」ができないこともあります。

また結婚時に引越しをして、「通勤できないので退職・転職」という選択をした女性も目立ちました。

5位 仕事内容を変えたい・今の仕事が合わない
  • 今後ライフスタイルが変わっていっても続けられるような仕事にかわりたいと思ったので(25歳)
  • 違う職種も経験してみたかった。若いうちに、色々な体験もしてみたかった(30歳)
  • 新卒で入社した会社に面白みを感じられなかった(25歳)

5位は「仕事内容を変えたい・今の仕事が合わない」となりました。

「他の仕事に興味が湧いた」「色々な仕事を経験してみたい」といった前向きな転職理由が多く寄せられました。

いくつかの職を経験するうち、やってみたいと思える仕事に出会った人も。

一方で、「今の仕事が楽しいと思えないので、他の職種や職業に転職したい」という人もいました。

6位 スキルアップ・キャリアアップしたい
  • 事務職をしていたが、このままずっと勤めても、何もスキルが身に付かないなと感じたため(28歳)
  • 仕事内容が簡単で物足りないと感じたので(27歳)
  • 金融分野の知識や領域をもっと深堀りしたくなった(27歳)

「スキルアップ・キャリアアップしたい」が6位でした。

「スキルを身につけないまま、年を重ねていいのだろうか」と危機感を覚え、転職を決意した女性も。

自分の能力に対して仕事が簡単すぎたり、スキルを必要としない単純作業だったりすると、やりがいを持てず仕事がつまらなく感じてしまう人も多いでしょう。

一方、前職でのスキルをさらに向上させるために転職を選んだ人もいました。

7位 体調を崩した
  • 夜勤で体調を崩してしまったため(28歳)
  • ストレスを感じ毎日吐き気あったり溜息が出たりイライラすることが多くなり家族にも悪影響だと感じたから
  • 腰を痛めて体力的に辛くなったから(27歳)

7位は「体調を崩した」です。

夜勤などの不規則勤務や過労、人間関係のストレスが原因で、体調を崩してしまった人も。

体調を崩すほど心身にストレスがかかる職場であれば、悪化する前に早めめに転職を検討しましょう。

女性が転職先を決める際に重視したことは「満足できる収入」

女性が転職先を決める際に重視したことランキンググラフ

「転職先を決める際に重視したこと」の1位は「満足できる収入(73人)」。

2位は「通勤しやすさ・希望の勤務地(62人)」、3位「仕事内容が合っているか・希望の職種か(60人)」と続きます。

人間関係を理由に転職した人が多いのに、重視したことの1位は「満足できる収入」という結果になりました。

人間関係の良し悪しは入社してみないとわからないため、選ぶときの基準にはしない人が多いのかもしれません。

1位 満足できる収入
  • 現在の収入よりも、収入が多くなるかどうか(27歳)
  • 給与の額もさることながら、年1回の昇給があるか(34歳)
  • 生活に必要なお金が欲しかったので、お給料で決めました(43歳)

1位は「満足できる収入」となりました。

収入を軸に仕事探しした人が最も多くなりました。

「能力に見合った収入を得たい」「キャリアアップ転職したい」といった人のほか、前職の年収が少なすぎて収入アップしないと生活が苦しい人もいるようです。

収入を軸に仕事探しする場合は、月給だけではなく「手当」「賞与」「昇給制度」についても調べておくのがおすすめです。

2位 通勤しやすさ・希望の勤務地
  • 勤務先が自宅がある市内で、通いやすいところ(25歳)
  • 通勤に便利な場所であり、さほど時間が掛からない事を最重要条件にしていました(31歳)
  • 通勤時間があまりかからないところ(27歳)

2位は「通勤しやすさ・希望の勤務地」でした。

自宅と職場の距離が遠すぎると、通勤だけで疲れてしまいます。

「通勤時間は無駄」と感じる人も多いのではないでしょうか。

また子育て中だと、できるだけ自宅や保育園から職場が近いほうがありがたいですよね。

3位 仕事内容が合っているか・希望の職種か
  • 接客の仕事が好きだったため接客ができる仕事を探しました(26歳)
  • 外回りや、外部の会議の臨席等、外に出向く仕事がなく、内勤のみであることを重視しました(24歳)
  • 自分が興味のある業界であること、営業職ならインセンティブがあること(28歳)

3位は「仕事内容が合っているか・希望の職種か」でした。

「やりたい仕事か」「苦手な業務ではないか」「やりがいを感じられるか」「経験や能力を活かせるか」などを重視して仕事を選んだ人が多いとわかります。

やりたい仕事が明確になっていれば、職探しに迷うことはありませんし、面接などでも熱意をアピールしやすいですね。

やりたい仕事や向いている働き方を探すためのオンラインツールなども公開されています。

方向性に迷っている人は、一度試してみてもいいかもしれません。

4位 休みが多い・取りやすい
  • 有給休暇の取得のしやすさ(27歳)
  • 子育て中なので、急遽の時にお休みを取りやすいかという事を重視しました(44歳)
  • 休みがしっかりと取れるところを重視しました(24歳)

「休みが多い・取りやすい」が4位でした。

休日の多さも、転職先選びの重要な要素のひとつ。

休日が少ないと疲労の回復やリフレッシュができにくくなる可能性もあるからです。

子どもの体調不良の際に気兼ねなく休める職場を望む人も多くいました。

「有給休暇の取りやすさ」を面接で質問するのは気がひけるという方は、転職エージェントを通じて質問する方法もあります。

5位 残業がない・少ない
  • 定時で帰れる場所であるか(22歳)
  • 残業ができるだけ少ない職場であることをもっとも重視しました(29歳)
  • 子育て中だったので、残業がなく定時に帰れるところ(41歳)

5位は「残業がない・少ない」です。

残業が多すぎると体調やプライベートに影響することから、残業の有無を重視して転職先を探した女性も多数。

残業が少ない職場や、「残業は◯◯時間以内」という人もいましたが、残業ゼロで定時で帰れる職場を探した人も少なくありませんでした。

6位 人間関係がよい・職場の雰囲気が良い
  • 職場の雰囲気がギスギスしていないこと(30歳)
  • 雇用主やスタッフは感情的にならないタイプか、周りの顔色をうかがわずにのびのび働ける雰囲気か、を重視しました(29歳)
  • 人間関係が良さそうかどうか、職場の雰囲気をよく観察しました(27歳)

「人間関係がよい・職場の雰囲気が良い」が6位でした。

人間関係が原因で転職を決意した人は、「次は人間関係のいい職場に転職したい」と考えるでしょう。

入社前に人間関係を見極めるのは難しいですが、「企業口コミ」や「離職率」をチェックすることで、悪質な人間関係やハラスメントがないかはある程度予想できます。

転職エージェントを利用しているのであれば、担当者に「社内の雰囲気」「上司になる人の性格」などを聞いておくのもよいですね。

7位 ライフスタイルに合う勤務時間
  • 時短勤務が可能かどうか(34歳)
  • 二交代制で、夜勤回数が許容範囲であること(30歳)
  • 持病があるので、パートタイムで働けること(33歳)

6位は「ライフスタイルに合う勤務時間」です。

勤務時間に関しては「夜型なので遅めに出勤したい」「子育て中なので短時間で働きたい」といった希望があるでしょう。

ただ正社員の場合、入社してすぐに時短勤務をするのは難しいのが現状です。

「時短勤務できるのは、入社後1年経ってから」というルールを設けている会社も多いからですね。

女性が転職する際に役立ったスキル・資格は「パソコンスキル・OA関連資格」

女性が転職する際に役立ったスキルや資格ランキンググラフ

最後に、実際に転職する際に役立ったスキルや資格を聞いたところ、1位は「パソコンスキル・OA関連資格(59人)」でした。

2位は「簿記(37人)」、僅差の3位は「前職での経験(35人)」となりました。

多くの会社で必要とされるPCスキルや簿記が上位になっています。

事務職に転職したいなら、PCスキルと簿記があると評価されやすそうですね。

外資系企業や海外とのやりとりがある職場なら、語学力も必要でしょう。

一方「資格やスキルはとくになかったが、前職での経験が評価された」という声も多くなりました。

資格が必須ではない業務であれば、資格よりも実務経験が評価されることも多いです。

人柄などの他条件を考慮しなければ、「資格はありますが実務未経験です」という人よりも、「資格はないけれど10年間の実務経験があります」という人のほうが選ばれやすいのですね。

340人の女性に聞いた転職事情の調査総括

人間関係が辛くて転職を決意した女性が多かったものの、転職先に求めた条件は「満足できる収入」が多数。

「人間関係は入社してみないとわからない」「多少仕事が大変でも給料が良ければ許容できる」と考える人も多いのかもしれません。

事務職に転職する場合は「PCスキル・OA関連資格」や「簿記の資格」が役立ちます。

「事務職にジョブチェンジしたくて、何か自信をもてる資格・スキルが欲しい」という場合は、「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」や「日商簿記」に挑戦してみるとよいでしょう。

ただ資格がなくても、接客や営業の業務経験が評価されたという人も多くなりました。

今までやってきたことが、意外なほど高く評価される可能性もあります。

資格がなくスキルに自信もないけど転職したいという場合は、まず業務経験を転職エージェントなどの第三者に評価してもらうのもおすすめです。