現役保育士92人に聞いた辞めたい理由とは?対処法や働きやすい保育園の選び方も紹介

保育士を辞めたい理由

保育士は子ども達の成長に関わることができる、かけがえのない仕事です。

子ども達の「初めてできた」に立ち会えたり、自分よりも年上の保護者に頼られたりと、喜びややりがいを感じることも多いでしょう。

一方で、人間関係の悩みや忙しさから「つらい」「辞めたい」と思ってしまう保育士さんも少なくありません。

今回は保育士さん92人のアンケート調査をもとに、「保育士を辞めたい理由」について解説していきます。

辞めたい理由ごとの対処法もまとめましたので、現在つらい思いをしながら働いている保育士さんはぜひ参考にしてくださいね。

現役保育士92人に聞いた辞めたいと思う理由は?各対処法も解説

保育士さんはどんなときに「辞めたい」と思うのでしょうか。

現役保育士さん92人に、辞めたいと思う理由を聞きました。

保育士を辞めたいと思う理由

「職場の人間関係」「保護者対応やクレーム」など、保育とは関係のない対人関係に関する理由が目立ちます。

また、「サービス残業」「給料に対する不満」など、保育士の労働環境に関する回答も多く寄せられました。

では、保育士さんが辞めたいと思う理由を口コミと共に紹介していきます。

辞めたい理由ごとの対処法も解説していますので、「辞めたい」と悩んでいる保育士さんは参考にしてみてください。

【辞めたい理由1】職場の人間関係が悪い

職場の人間関係が悪い

回答者の声
  • 職場内の人間関係が悪く、愚痴や陰口を聞かされることが続いた時は辞めたいと思った(45歳 女性)
  • 上司からやってもいないことで不適切な保育扱いをされ、パワハラにあった時(42歳 女性)
  • 園長の機嫌取りの毎日。そして、園長の気まぐれに振り回される毎日(29歳 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

どんなにやりがいを感じていても、人間関係が悪ければ職場にいる時間は苦痛になります。

そのため、保育士を辞めたくなる理由で最も多かったのは「職場の人間関係が悪い」でした。

閉鎖的な環境であることや、女性比率が極端に多いことから、保育士は上下関係や派閥ができやすく、それが人間関係の難しさにつながっています。

転職前に園の人間関係のすべてを知ることはできませんが、以下の方法で「人間関係の悪い職場」を避けることは可能です。

産休・育休明けの保育士がいる園を選ぶ

産休・育休明けの保育士がいるかどうかは、人間関係がよい職場であるかを判断する一つの方法です。

人間関係が悪い職場なら、「出産後にまたここで働きたい」とは思えないからです。

また産休・育休明けの保育士が多い園は、子育てしながらでも働きやすい環境である可能性も高いです。

幅広い年齢層の保育士がいる園を選ぶ

人間関係のよい職場を選ぶには、保育士の年齢層を確認するのもよい方法です。

理想的なのは、新人から子育て中のママ、中堅、ベテランまで幅広い年齢の保育士が働いている園。

若手ばかりで中堅がいない園は保育士の入れ替わりが激しい可能性がありますし、ベテランばかりの場合も若手の離職率が高い可能性が考えられるからです。

必ずしも「離職率が高い」=「人間関係が悪い」ではありません。

ただ、辞めたい理由の1位が人間関係の悪さであることから、「職員がすぐに辞める職場」は人間関係が悪い可能性も否めません。

【辞めたい理由2】保護者対応やクレームがつらい

保護者対応やクレームがつらい

回答者の声
  • 保護者にケガや子どもの発言について詰められるとき(28歳 女性)
  • 神経質な親に事細かく聞かれるときめんどくさくて辞めたくなる(44歳 女性)
  • 保護者から理不尽なクレームが入った時(38歳 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

「子どもとの関わりが好きで保育士になったのに、親の対応までしなければいけないのがつらい」と悩む保育士は少なくありません。

保護者は我が子が可愛いですから、ケガやけんかなどのトラブルがあれば不安になります。

保育士がちゃんと我が子を見てくれているのか、大切に扱ってくれているかなどが気になるのは当然でしょう。

ただ近年は、「仕事と子育ての両立」や「ワンオペ」などの悩みを抱える保護者も多く、気持ちにゆとりがないことから保育士に対して理不尽な要求をするケースも。

ここでは、保護者対応やクレーム対応の方法について紹介します。

保護者には失礼のない態度で接する

保護者に対して、無意識のうちに失礼な態度をとっていないか振り返ってみましょう。

何かを伝えるとき、「◯◯して下さい」「◯◯したほうがいいです」など上から目線になっていませんか?

少し親しくなった保護者に、タメ口で話してはいませんか?

保育士の態度に対して、保護者が日頃から小さな不満をもっていると、クレームが出やすい状況につながります。

保護者には失礼のない態度で接しましょう。

保護者との信頼関係を築く

クレーム対応はつらいものですが、保護者との信頼関係を築くチャンスでもあります。

まずは保護者の不満や要望を丁寧に聞いて受け止めましょう。

保護者の不満や要望をしっかり聞いて解決していくことで、信頼を得ることができ、クレームが生まれにくい関係を築けるからです。

「保護者からの要望を適当に受け流す」「その場を切り抜けるためにとりあえず謝る」といった対応は、怒りを増幅させたり、さらなるクレームを生む原因となってしまうのでNGです。

「保護者対応」の軸が決まっている園を選ぶ

転職をする際は、保護者対応の方針を園長先生に確認しましょう。

「保護者対応の軸」が決まっている園であれば、個々の案件についてどう対応すべきかを、その都度保育士が悩まずにすむからです。

反対に、対応の仕方を保育士任せにしている園だと、「保護者の言いなりになってしまう」など保育士が苦労するケースも。

また対応にブレがあると、「◯◯さんは◯◯してもらったのに」「◯◯先生は◯◯してくれたのに」など、保護者の不満を生む原因にもなります。

【辞めたい理由3】忙しい/サービス残業・持ち帰り仕事が多い

忙しい/サービス残業・持ち帰り仕事が多い

回答者の声
  • サービス残業ばかり。出退勤もハンコを押すだけでタイムカードがないため、早く来て遅く帰るのが毎日。でも給料は12時間働こうが、1日8時間分のみ(29歳 女性)
  • 行事などで作業がたくさんあり、残業するのが当たり前になっているのに残業代がつかない(28歳 女性)
  • 子どもたちの成長発達を中心に仕事をしなければならないのに、その他の業務が多すぎる(39歳 女性)
  • 〔出典〕独自アンケート調査

保育士には子どものお世話以外に、連絡帳の記入、保育記録の作成、壁面装飾の制作、保育室の掃除、行事の準備など幅広い仕事があります。

上記のほとんどが保育中には行えないため、「残業」や「持ち帰り仕事」が常態化している保育園も珍しくありません。

ここでは「オーバーワークになりにくい園を見極める方法」を紹介します。

行事に力を入れすぎている園は避ける

行事に力を入れすぎている園は注意が必要です。

行事が多いほど、保育士には準備のための負担がかかるからです。

残業や持ち帰り仕事が発生する原因にもなってしまいます。

保育園の行事は「季節を感じる」「日本文化に触れる」「情緒を育む」といった目的がありますし、保護者にとっても子どもの成長を見られる良い機会です。

ただ、忙しさや残業で悩んでいる保育士さんは、行事の少ない保育園を選ぶのも一つの方法です。

配置基準よりもゆとりのある園を選ぶ

転職を検討している保育士さんは、保育士の人数にゆとりのある園を選びましょう。

人手が足りないことは、保育士がオーバーワークになる大きな要因。

配置基準ギリギリの人数で運営している保育園は、一人で多くの子どもを見なければならないため忙しくなります。

逆に、配置基準よりもゆとりのある保育士がいる園であれば、一人ひとりの負担は少なくなります。

子育て中の保育士が在籍する園を選ぶ

子育て中の保育士が在籍しているかも、「オーバーワークな園でないか」を見極めるポイントとなります。

子育て中の保育士が多く働いているということは、「子育てしながらでも働きやすい園」である可能性が高いからです。

また同じ子育て中の保育士がいれば、「お互いさま」の気持ちで助け合いながら働くこともできます。

「残業代全額支給」と明記された園を選ぶ

「残業があるのは仕方ないけど、サービス残業は避けたい」という場合は、「残業代全額支給」の求人を選びましょう。

求人票や募集要項に明記されていれば、サービス残業が常態化している職場を避けられるからです。

残業代について触れていなかったり、「残業ほぼなし」など曖昧な書き方をしている場合は注意が必要です。

また、「残業代支給」と書かれていても「全額支給」とは限りません。

残業代について直接確認するのが気まずい人は、保育士向け転職サイトの担当者を通して聞いてもらうのがおすすめです。

【辞めたい理由4】給料が働きに見合っていない

給料が働きに見合っていない

回答者の声
  • 働きとお給料が見合ってないと感じることが多い。保育の仕事が好きだからなんとか続けていますが、やめたいとはいつも思っています(31歳 女性)
  • 保護者対応や職員間の人間関係など保育と無関係なところで神経をすり減らしながら働いていて、ふと給与をみると仕事内容と金額にかなりの差を感じるとき。この金額ならばもっと楽な仕事はたくさんあると思う(45歳 男性)
〔出典〕独自アンケート調査

「給与が安すぎる」という回答も多く寄せられました。

保育士は、やりがいも喜びも多い仕事。

しかし、労働時間や仕事の大変さに給料が見合っていないと感じる保育士も少なくありません。

現状の給料に不満を感じているのであれば、転職も検討しましょう。

給与は事前にチェック可能!納得のいく収入が得られる園を選ぶ

入職前にはわかりにくい「職場の人間関係」と違い、給与に関しては事前に確認できます。

募集要項をしっかりチェックして、納得のいく給与がもらえる園を選びましょう。

給与は、年齢・経験・保有資格などによって違うため、募集要項では「月給◯万円~◯万円」と幅のある書き方をしているのが一般的。

また記載されている給与には、「住宅手当」や「扶養手当」など各種手当てが含まれていることもあります。

この場合、受給条件に当てはまらないと、記載された給与よりも少なくなる可能性も。

入職してから「もっともらえると思ってたのに…」とならないように、「あなたがもらえる給与」を確認したうえで転職先を決めましょう。

「給料について細かく聞くのは気が引ける」という人は、転職サイトの担当者を通して聞いてもらいましょう。

【辞めたい理由5】園長や同僚と保育観が合わない

園長や同僚と保育観が合わない

回答者の声
  • 同じクラスの先生と保育のやり方が合わなかったり、上手くコミュニケーションが取れなかったりする時に辞めたいと感じる(28歳 女性)
  • 園長と意見が合わない(31歳 女性)
  • 一緒に働く職員と保育観が全く合わず、歩み寄れないとき(29歳 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

保育観は、育った環境や経験、時代背景、個人の価値観によって異なります。

保育士の数だけ保育観があり、正解・不正解はありません。

ただ、自分の保育観と園の理念が大きく違っていたり、同僚と異なる保育観だったりすると、もやもやしながら働き続けることになります。

やりがいをもって保育士の仕事をするためには、自分の保育観に合った園を選ぶことが重要です。

保育観のズレに悩んでいる保育士さんへの対処法を紹介します。

職場見学をして園長先生と会う

自分の「保育観」とズレのない職場を探すなら、職場見学の際に園長先生と会うことは必須です。

園の方針や雰囲気は、園長先生によって決まるといっても過言ではないからです。

ホームページに保育理念が書いてあったとしても、園長先生がワンマンだった場合、園で掲げている方針や目標と実際が違うケースも少なくありません。

園長先生と実際に会って話をし、保育理念や保育観について聞いてみてください。

自分の保育観とかけ離れている場合は、違和感を覚えながら働くことになるため、おすすめできません。

他の保育士の保育観も尊重する

あなたがあなたの保育観を大切にしているように、他の保育士が大切にしている保育観も尊重しましょう。

保育観は人それぞれ。

子どものことを一番に考えていることがベースにある保育観であるなら、「何が正解」「何が間違い」ということはありません。

とはいえ、「同僚との保育観が違いすぎて歩み寄れない」「子どもとの関わり方に迷いが出る」というケースもあるでしょう。

保育観の違いから働きづらさを感じる場合は、自分の保育観と合った保育園に転職するのもひとつの方法です。

保育士を辞めて他の仕事に転職したい人が6割以上

保育士を辞めたいと思ったことがある75人に「辞めてどうしたいのか」を聞いた結果は以下の通りです。

保育士を辞めてどうしたいか

「保育士以外の仕事をしたい」が約6割、「他の園に転職したい」が約3割でした。

「保育士自体を辞めたい」と思っている人も多いようですね。

ではそれぞれについて、なぜそう思うのかを聞いてみました。

他の園に転職したい理由

回答者の声
  • 保育士の仕事は好きだから、待遇の良い園に行きたい(26歳 女性)
  • 同じ保育施設でも園によって雰囲気や子どもの様子、保育士の人間関係などが違うと思うから(26歳 女性)
  • 人間関係の良い、気持ちよく仕事ができる園が他にあると思った。他の保育園の保育をしてみたいし、いろんな保育士さんに出会ってみたいと思った(26歳 女性)
  • 保育士という職業に対してはやりがいがあり大好きではあるが、現職場が持ち帰りの仕事の多さや残業ありきで仕事を進めないと回らない事が多い為、もう少し負担の少ない園があればそこへ就職したい(30歳 女性)
  • 保育士として働いている年数が長く、他の業種につく自信ない(38歳 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

「他の園に転職したい理由」として最も多かったのは、「他にもっと快適に働ける職場があるはず」という意見です。

実際、保育士さんがいきいきと働いている保育園はたくさんあります。

サービス残業や給与の不満などは、園が変われば解消されるケースも多いからです。

また、「今働いている保育園の方針が自分に合っていないだけ」というケースも。

あなたが希望する労働条件や大切にしたい保育観などをもう一度整理して、気持ちよく働ける職場を探しましょう。

保育士以外の仕事に転職したい理由

回答者の声
  • お給料や待遇面と仕事量が見合っていないから(31歳 女性)
  • 子どもの対応や保護者の対応などから解放されたい(35歳 女性)
  • 子どもと関わる中で子どもを可愛いと思えなくなってしまった。また女性が多い職場のため、裏で悪口ばかりを言い合い、疲れてしまった(28歳 女性)
  • 子どもと関わる仕事が好きなだけなので、保育士でなくてもできるかなと思う(28歳 女性)
  • ずっと保育士として保育の業界でしか働いてこなかったため、別の世界にも興味がある(38歳 女性)
  • 子どもと関わる保育は好きだが、向いてないのでは?と思うことがある(38歳 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

さまざまな理由から、「保育士以外の仕事に転職したい」という保育士さんもいます。

とくに多かった理由は、以下の4つです。

  • 今の職場環境がつらすぎる
  • 保育士自体がイヤになった
  • 保育士以外の仕事を経験してみたい
  • 保育士に向いていないと感じる
今の職場環境がつらすぎる

保育士を辞めたい理由が今の職場環境や労働環境なら、ほかの園に転職することで解決きるケースはとても多いです。

転職サイトを活用して、働きやすい職場を探してもらいましょう。

保育士を専門とする転職サイトのコーディネーターなら、保育士さんが抱える悩みを熟知しているため、きっと力になってくれます。

保育士自体がイヤになった

「子どもは好きだけど保育士という仕事がつらい」「保育園ではもう働きたくない」という場合、保育園以外で子どもと関われる仕事もあります。

例えば以下のような仕事です。

  • 習い事や幼児教室などのスタッフ
  • 子ども服や玩具の販売員
  • ショッピングモール・歯科医院などの託児スタッフ
  • 小児科の医療事務
  • テーマパークのスタッフ
  • 子ども写真スタジオのスタッフ

保育士経験を活かせる仕事は意外に多いので、ぜひ探してみてください。

保育士以外の仕事を経験してみたい

保育士とは全く別の仕事に挑戦したい方は、幅広い業界の仕事を扱っている転職エージェントに相談してみましょう。

保育士さんのなかには、そもそも自分にどんな仕事ができるかわからない人もいると思います。

転職エージェントでは、希望やスキル・経験などをもとに、あなたに合った仕事を紹介してくれます。

また、応募書類作成のサポートや面接対策をしてくれる転職エージェントも多いので、はじめて他の業界に挑戦する方にとっては心強いでしょう。

保育士向けの転職サイトや転職エージェントを効率よく探せるよう、当サイトオリジナルの「こだわり検索ツール」も作成したので、興味がある方はぜひ利用してみてください。
こだわり検索
年代
雇用形態
資格
こだわり条件
現在の年収
希望の勤務地

保育士に向いていない人の特徴3つ

保育士を辞めたい理由としては、「保育士に向いていない気がするから」という声も寄せられています。

そこで、現役保育さん92人に「保育士に向いてない人の特徴」をあげてもらったところ、結果は以下のようになりました。

保育士に向いていない人の特徴

この章では、現役保育士さんのアンケート結果をもとに「保育士に向いてない人の特徴3つ」を紹介していきます。

1.感情のコントロールができない

感情のコントロールができない

感情のコントロールができない人は、保育士に向いていません。

「子どもが思い通りにしてくれない」「同僚と保育観が合わない」「保護者に理不尽なクレームを言われる」など、心が乱される出来事は日々起こります。

何かあるたびに機嫌が悪くなったり怒りが抑えられなかったりすると、

  • 子どもに恐怖心を与える
  • 同僚との関係が悪くなる
  • 保護者とのトラブルに発展する

など、不都合なことが多くなってしまいます。

2.コミュニケーションが苦手

コミュニケーションが苦手

コミュニケーションが苦手な人は、保育士の仕事をするなかで苦労することが多いでしょう。

子どもとの関わりが好きで保育士になった人は多いと思います。

ただ、保育士は同僚や先輩、園長、保護者など「大人」とも密に関わっていかなければなりません。

会話のキャッチボールが苦手、人見知り、相手に合わせるのが苦手といった場合は、仕事が苦痛になってしまう可能性があります。

3.子どもが好きでない

子どもが好きではない

「子どもが好きではない」「可愛いと思えない」という人は、保育士には向いていません。

好きでなければ愛情をもって接することができないからです。

子どもは、天使のように可愛いときばかりではありません。

泣き止まなかったり、騒いだり、叩いたり、言うことを聞かなかったり、意地悪をしたりすることもあります。

そんな子どもの自然な姿を受け入れられず、イライラや嫌悪感が強く出るようなら、我慢せずにほかの仕事に転職しましょう。

あなたが楽しく心穏やかに働ける仕事は、他にきっとあるはずです。

保育士以外の仕事への転職を検討している方は『転職エージェントおすすめランキング|1,000人への口コミ調査結果を発表』の記事を参考にしてみてください。

辞めたいと思わない!働きやすい保育園の選び方

働きやすい保育園の選び方

今の職場で働き続けるのは難しいことから、転職を検討している保育士さんもいることでしょう。

ただ「次の職場も合わなかったらどうしよう」という不安もあるのではないでしょうか。

そこでこの章では、働きやすい保育園を選ぶ方法を紹介していきます。

1.どんな条件で働きたいかを明確にする

働きやすい保育園を見つけるためには、まずは自分がどんな条件で働きたいかを明確にする必要があります。

「今より働きやすい保育園がいい」といった曖昧な探し方はNG。

本来あなたが重視したい条件を自分自身でわかっていないと、転職先を選ぶ基準があいまいになり、転職後にまた新たな不満を抱えることになるからです。

「多少忙しくても給料の高いことが条件」「自宅から近いなら残業があってもいい」など、優先したいものはそれぞれ違うはず。

希望条件が明確であれば、転職サイトのコーディネーターにミスマッチのない職場を探してもらいやすくなります。

2.職場見学をする

自分に合った転職先を見つけるためには、職場見学は必須です。

保育園のホームページだけでは、園の雰囲気や保育士の様子はわからないからです。

職場見学をする際は以下の点をチェックしましょう。

子どもたちが楽しそうか

子どもたちが笑顔で楽しく過ごしているかはとても重要です。

先生の顔色を伺っていたり、必要以上に行儀が良すぎたりする場合、先生を怖がっている可能性があります。

保育士さんの子どもへの接し方

保育士さんの子どもへの接し方を見ることで、どのような保育を目指しているかを知ることができます。

たとえば、「子どもの自主性を尊重するために待つのか」「子ども思いを汲み取ってサポートするのか」などです。

保育士の年齢層

若手・中堅・ベテランと、さまざまな年齢層の人が働いている職場は働きやすいと傾向があります。

保育士が新人ばかり、またはベテランばかりの場合、「職員の入れ替わりが激しい」「若手が育つ前に辞めてしまう」といった可能性が考えられます。

1クラスに何人の先生がついているか

保育士の数にゆとりがあるかを確認できます。

配置基準ギリギリで運営している場合、「忙しい」「残業が多い」「休みがとりづらい」といった可能性があります。

壁面装飾はどのようなものか

壁面装飾は、「保育室が明るい雰囲気になる」「季節を感じられる」「子どもが喜んでくれる」などメリットがたくさんあります。

ただ、壁面装飾が凝っている場合、持ち帰り仕事や残業が発生するなど保育士の負担が大きい可能性も考えられます。

3.園長先生と直接会って話をする

職場見学に行った際は、必ず園長先生と会う機会を作ってもらいましょう。

働きやすい環境かどうかは、園長先生次第と言っても過言ではないからです。

園長先生の人柄がいいと、職員はのびのびと働くことができます。

反対にワンマンで威圧的な園長先生だと、職員が萎縮して職場の風通しが悪くなる傾向にあります。

また園長先生に会うことで、「保育理念」や「保護者対応への考え方」などについても直接聞くことができます。

「保育園の理念と自分の保育観が合っているか」「自分のやりたい保育ができるかどうか」を確認すために、必ず園長先生と会いましょう。

転職サイトでは「職場見学」の手配をコーディネーターが代行してくれます。

上記とあわせて、「保育士はもっと素直でわがままになってもいい?」元保育士インフルエンサー・ふじこ先生が教える条件に縛られず笑顔でいられる環境選びのコツの記事も参考になるので、気になる方はチェックしてみてください。

まとめ

「つらい」「辞めたい」と思ったときは、自分の気持ちは以下のうちどちらなのかを考えてみてください。

  • 保育士を辞めて異業種に転職したいのか
  • 他の保育園で頑張りたいのか

一口に保育園といっても職場環境や労働条件は千差万別。

職場を変えるだけで悩みが解消されるケースも多くあります。

また、保育士の資格や経験を活かせる「保育園以外の職場」もたくさんあります。

今の職場に不満がある、保育士を辞めたいと思ったときは、保育士の転職サイトを利用してコーディネーターに相談してみてください。

それぞれの悩みにあった転職先や解決法を教えてもらえますよ。

保育士向けおすすめ転職サイト3選
保育士ワーカー

親身な対応が高評価!面接に同行してくれる。
【公式】https://hoikushi-worker.com

マイナビ保育士

入職後の「こんなはずじゃなかった」を回避できる。
【公式】https://hoiku.mynavi.jp/

保育士バンク

首都圏でも地方でも仕事が見つかる。
【公式】https://hoikushibank.com/

アンケート調査概要
  • 調査対象:現役保育士
  • 調査期間:2023年12月28日~2024年1月11日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:92人(女性75人/男性17人)

最後に当記事の監修者、社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー所長の楚山和司氏からアドバイスいただいたので紹介します。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー所長の楚山和司氏
当記事の監修者、楚山和司氏からのアドバイス

人間の行動を促す要因には“金銭的報酬”と“非金銭的報酬”があるといわれます。前者は読んで字のごとく、職場において典型的にはお給料のように、数量で得られる報酬のことを指し、多いほど仕事への満足感は高まります。

ただし、常に比例的に高まるのではなく、報酬が一定の水準に達すると鈍化します。

一方、後者は例えばやりがいのように、数量では得られないものの、鈍った満足感をさらに高め続けてくれます。

これはつまり、人は待遇は高いに越したことはないものの、それだけで充実した職業生活を継続できるわけではない、ということを示唆しています。長く働き続けられる職場というのは、まさにこの双方が整っている場といえます。ぜひ本記事を参考に、探し求めていきましょう。

 

■監修者プロフィール
社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー所長
保育士・社会保険労務士 楚山和司

全国約200以上の保育所を設置・運営する業界最大手の事業会社経験をもとに、保育所経営の総合コンサルタントとして独立。

独立以前は、運営するほぼすべての保育所の自治体指導監査対応を累計500件以上務め、労務管理・会計経理・安全対策について特に詳しい。

また、独立した現在は約50件以上の保育所運営法人の顧問・支援実績を有し、保育従事者向け研修の講師も年間100コマ程度を歴任している。