求人数が多く努力次第で稼げるイメージもある営業職。
興味がありつつも「営業の経験がないから」と転職を躊躇している人も多いのではないでしょうか。
今回は営業職への転職経験がある81人にアンケートを実施。
「転職前の職種」「営業職に転職した理由」など、営業職への転職事情について聞きました。
- 調査対象:営業職への転職経験がある人
- 調査期間:2024年7月23日~8月6日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:81人(男性46人/女性35人)
- 回答者の年代:20代 60.5%/30代 28.4%/40代 11.1%
※アンケート中の年代はすべて転職当時のものです。
転職前の職種も「営業職」だった人が3割強
営業職への転職経験がある81人に「転職前の職種」を聞きました。
その結果、転職前の職種も営業だった人が28人で、全体の3割強となりました。
同じ営業職でも、「扱う商材や業界」「BtoBかBtoCか」「新規開拓かルート営業か」などによって、働き方や身につく知識・求められるスキルが変わります。
そのため営業職から営業職へ転職して、前職での営業スキルを活かしつつも、新たなスキルを身につけたいと考えた人が多いと推測できます。
一方キャリアチェンジした人の職種は「事務職(17人)」、「接客・販売職(11人)」などでした。
営業職への転職理由1位は「稼ぎたい」
営業職への転職理由1位は「稼ぎたい(21人)」でした。
「営業職は稼げる」というイメージがあるとわかります。
また「向いていると思った(15人)」「未経験でも応募できた(11人)」など、自分にとって転職しやすい職種だと考えた人もいました。
1位 稼ぎたい
- インセンティブがあり、実力次第で給与が増えるからです(27歳 男性)
- インセンティブが欲しかったから。自分の頑張りで給料にメリハリが欲しかった(27歳 女性)
- 給与水準が高かった(34歳 男性)
1位は「稼ぎたい」でした。
営業成績によってインセンティブがもらえる営業職も少なくありません。
そのため「努力して結果を出した分だけ稼ぎたい」という理由で、営業職に転職した人も多くなりました。
また職種は同じ営業職でも、業界や企業によって給与水準が違うこともあります。
そのため前職も営業職だったものの、収入アップを目指して転職した人もいました。
2位 向いていると思った
- コミュニケーションを取ることや、目標に向かってやり遂げることが好きなので、転職する際も営業職がいいと思っていました(24歳 女性)
- 接客や交渉が好きだから(32歳 男性)
- 前職が営業だったため、アピールがしやすいから(46歳 男性)
2位は「向いていると思った」でした。
「人と話すのが好き」「コミュニケーション能力が高い」「交渉・折衝が得意」などの理由で、営業職を希望した人もいます。
また前職が営業職だったり、転職先に関連する業界で働いた経験があったりして、採用選考でアピールしやすいと考えた人もいました。
営業職経験者以外だと、「接客・販売職経験者」「スーパーバイザー経験者」などがいました。
3位 前の会社に不満があった
- 拘束時間が長く、会社自体の業績がかなり悪化していたこと(24歳 男性)
- 営業の仕事自体はおもしろいと感じていたが、職場環境が合わず転職した(26歳 女性)
- 残業が多い上に、遠隔地への転勤が多々あったから(28歳 男性)
3位は「前の会社に不満があった」です。
営業職から営業職へ転職した人からの回答が目立ちました。
営業の仕事は好きだが社風や働き方が合わないと感じ、他社の営業職に転職する人も多いとわかります。
全国展開する会社だと引越しをともなう異動が頻繁にあるケースもあり、転勤が嫌で転職した人もいるとわかりました。
同率3位 スキルアップしたかった
- 営業力を身につければ、どこでも生きていけると思ったから(23歳 女性)
- 自分のスキルアップを考え、BtoCではなくBtoBの業務をしたいと思った(24歳 女性)
- 自分で仕事を受注するスキルを磨くため、若いうちに一度営業職の経験を積んでおきたかったからです(30歳 男性)
「スキルアップしたかった」が同率3位でした。
さらなる転職や独立を見据え、営業スキルを身につけるために転職した人もいるとわかります。
また営業職経験者からも、「エンドユーザー向けの経験しかなかったので、企業向けの営業も経験したかった」といった転職理由が挙げられました。
営業職として働くにあたっては、商品や業界の知識が必要になるため、「業界・分野の勉強がしたかった」と答えた人もいます。
5位 未経験でも応募できた
- 未経験歓迎だったから(25歳 女性)
- 未経験でもOKの募集が多かった(35歳 女性)
- 業界未経験可の募集があったから(48歳 男性)
5位は「未経験でも応募できた」です。
キャリアチェンジしたくても、未経験不可の求人だと応募できません。
しかし営業職は職種・業界未経験OKの求人も比較的多いため、挑戦しやすい職種となっています。
「収入が高く、適性を活かせる仕事に転職したい」と考えたとき、未経験OKの営業職求人が目に留まった人も多いと推測できます。
営業職への転職方法は「転職エージェント」
どのような方法で営業職に転職したかを聞いたところ、「転職エージェント(38.2%)」が最も多くなりました。
営業職は求人数が多く、自分で希望条件に合う求人を探すのは大変です。
そのため求人探しなどを効率化するために、転職エージェントを使う人も多いのではないでしょうか。
また未経験からの営業職転身だと、前職のスキルや経験を営業職にどのように生かせるのかを言語化することが難しいケースもあります。
上記のような場合に転職エージェントから書類添削や面接対策などのサポートを受けると、転職活動の質がアップすると考えられます。
転職先の条件で重視したことは「給与水準の高さ」
転職先の条件で重視したことの圧倒的1位は「給与水準の高さ(36人)」です。
以下、2位「休日数・休みやすさ(12人)」、同率3位「福利厚生の充実度(7人)」「働き方(7人)」、5位「インセンティブの有無(6人)」の結果でした。
「稼ぎたい」という理由で転職した人が多いことから、「給与水準」「インセンティブ」を重視条件に挙げた人が多くなりました。
1位 給与水準の高さ
- 給料の高さを重視しました(23歳 男性)
- 給料が前職より上がること(31歳 女性)
- 自分の希望する給与であること(43歳 男性)
1位は「給与水準の高さ」でした。
収入アップを目指して転職する人も多いことから、給与水準を重視する人が多いのも納得です。
求人票に記載されている想定給与には幅があるため、「自分が入社後にはどのくらいの給与になるのか」は、内定をもらったときにしっかり確認しましょう。
なお転職時には企業との給与交渉も可能です。
ただ自力での交渉は難しいため、転職エージェントなどを通して交渉することをおすすめします。
2位 休日数・休みやすさ
- 週休2日制であること(25歳 男性)
- 休みが取りやすい雰囲気かどうか(25歳 女性)
- 土日休みや休日数が前職よりも多いこと(27歳 女性)
2位は「休日数・休みやすさ」でした。
業界や企業によっては、土日祝が休みではない営業職の求人もあります。
そのため休日に注目した人もいます。
また前職が土日祝休みではなかったため、家族と休日を合わせるために土日祝休みの仕事を探した人もいました。
3位 福利厚生の充実度
- 福利厚生の充実(28歳 男性)
- 福利厚生がしっかりあること(30歳 男性)
3位は「福利厚生の充実度」です。
福利厚生とは「住宅手当・育児手当・通勤手当」といった各種手当や、「退職金」「社員食堂」などを指します。
福利厚生が充実していれば、手取りが増えたり、仕事やスキルアップに関わる支出が少なくなったりします。
そのため福利厚生を重視して企業を選んだ人も多くなりました。
同率3位 働き方
- 自分のペースで働けるか(25歳 女性)
- より大きな裁量(31歳 男性)
- 勤務日数の柔軟性(35歳 女性)
同率3位は「働き方」でした。
個人の裁量が大きい営業職の仕事もあります。
例えば「営業活動の進め方」「休憩時間の取り方を含めた時間配分」が営業職個人に委ねられているケースなどです。
自由な働き方ができるかを重視している人も多いとわかりました。
5位 インセンティブの有無
- 固定給+歩合給であること(27歳 女性)
- インセンティブがあること(27歳 女性)
5位は「インセンティブの有無」です。
努力して結果を出した分だけ給料に反映してほしいと考える人は、インセンティブを重視します。
一方でインセンティブには「完全歩合制だったり、歩合給の割合が大きすぎたりすると、収入が不安定になる」というデメリットも。
そのため、歩合制ではなく固定給であることを重視している人もいました。
営業職への転職活動が順調だった人は81.5%
営業職への転職活動が「順調だった」「まあ順調だった」と回答した人は合わせて81.5%でした。
比較的順調に転職活動を進められた人が多い理由としては、「営業職の求人自体が多い」という点が挙げられます。
求人数が多いと競争率は低くなりやすく、内定獲得の難易度も下がると考えられます。
まとめ
営業職への転職事情を調査したところ、多くの人が順調に営業職に転職したことがわかりました。
理由としては「求人が多い」「未経験OK」などが考えられます。
転職理由は「コミュニケーション能力を生かしたい」「稼ぎたい」などさまざまでした。
コミュニケーション能力など営業職に行かせる能力に強みがあり、「インセンティブでより稼ぎたい」という気持ちがある人は、営業職への転職を考えてみるのもおすすめです。