【第二新卒が転職する理由は?】転職事情を経験者113人にアンケート調査

第二新卒とは、新卒入社後2~3年程度の社会人を指す言葉です。

「仕事は3年くらい続けたほうがいい」と言われることもありますが、新卒入社した会社が合わずに第二新卒のうちに転職する人もいます。

今回は第二新卒での転職経験がある113人にアンケートを実施。

「第二新卒で転職した理由」や「転職先に求めた条件」について聞きました。

【調査概要】

  • 調査対象:第二新卒での転職経験がある人
  • 調査期間:2024年7月23日~8月6日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:113人(女性60人/男53人)

第二新卒の転職理由1位は「仕事内容を変えたい」

第二新卒の転職理由ランキング

第二新卒での転職経験がある113人に「転職理由」を聞いたところ、1位は「仕事内容を変えたい(31人)」でした。

2位「多忙・残業が多い(25人)」、3位「人間関係・雰囲気が合わない(23人)」が続きます。

以下、4位「収入・待遇への不満(13人)」、5位「勤務地を変えたい(7人)」の結果でした。

仕事内容への不満を理由に転職する人が多いため、新卒での就職時に仕事内容のミスマッチを起こすケースが多いと推測されます。

また「残業」「勤務地」など、労働条件への不満を挙げた人も目立っています。

1位 仕事内容を変えたい

  • SEが合っていなかったから(男性)
  • 聞いていた仕事内容と違ったから(女性)
  • 希望の部署に配属されなかったことと、専門知識がないのにも関わらず、高い専門性を求められた(男性)

1位は「仕事内容を変えたい」でした。

新卒では希望の部署に配属されるとは限らないため、「希望の部署に配属されなかった」という回答が目立ちました。

新卒での就職活動がうまくいかず、希望ではない業種や企業に入社し、「やっぱり希望の仕事を諦められない」と転職した例も。

「聞いていた仕事内容と違った」「適材適所の考え方がまったくなかった」など、会社側に問題があったと感じている人もいます。

2位 多忙・残業が多い

  • 残業が多くプライベートな時間が確保できなかったため(男性)
  • いわゆるオーバーワークが毎日続いたため、転職を考えた(女性)
  • 仕事があまりにもきつかった。休日も会社イベントに人生を捧げるレベルだったため(女性)

2位は「多忙・残業が多い」です。

業務量や残業が多いため、転職を考えた人も多いとわかりました。

なかには、残業が多くて心身の不調につながった人もいます。

心身の不調を防ぐために休息やプライベートな時間を確保しやすいよう、よりワークライフバランスのとりやすい企業への転職を目指した人が多いのでしょう。

3位 人間関係・雰囲気が合わない

  • 会社内でいじめにあったから(男性)
  • 会社の雰囲気が自分に合わなかったから(女性)
  • 「年齢の近い先輩」「頼れる人」「尊敬できる人」がいなかったことが大きな理由(女性)

3位は「人間関係・雰囲気が合わない」でした。

いじめやパワハラにあったという、辛い体験談も多数寄せられています。

いじめやパワハラは言うまでもなく大きなストレスとなり、体調を崩してしまう人も。

また人間関係が悪いとまでは言えなくても、職場の雰囲気や上司の指導方針が合わずに転職を決意した人もいました。

4位 収入・待遇への不満

  • 給与を上げようと転職しました(男性)
  • 給料が安すぎて、クレカの延滞が溜まっているから(女性)

「収入・待遇への不満」が4位でした。

「収入が少なく、日常の支払いが追いつかない」というレベルだった人もいます。

単に給料が低いだけではなく、「休みが少ないわりに薄給」「求人票の内容と待遇が違った」などの事情があり、転職を決意した人もいました。

給与と仕事のバランスや給与に関する会社側のスタンスに不満を感じることも、転職につながるとわかります。

5位 勤務地を変えたい

  • 遠隔地に飛ばされたから(男性)
  • Uターン転職したいと思ったから(男性)
  • 結婚するために、夫の職場近くで仕事を探したかったから(女性)

5位は「勤務地を変えたい」でした。

勤務を変えたい理由は「結婚」「Uターン」「もともと希望の勤務地があったものの、配属されなかった」「転勤が嫌だった」などです。

勤務地にこだわりがある人は、転勤がない企業や地元企業などへの転職を希望すると考えられます。

第二新卒の転職方法は「転職エージェント」

第二新卒の転職方法円グラフ

第二新卒の転職方法で最も多かったのは「転職エージェント(34.0%)」。

2位「転職サイト(18.9%)」、3位「知人の紹介(16.5%)」、4位「ハローワーク(15.7%)」が続きます。

5位は「直接応募(5.5%)」でした。

転職エージェントやハローワークで、アドバイザーや相談員に相談しながら転職した人が多いとわかります。

第二新卒の転職支援実績が豊富な第二新卒特化型エージェントなら、第二新卒が抱えがちな悩みもサポートしてくれると期待できます。

またハローワークでは職業訓練を受けられるので、スキルを身につけて転職したい人にもおすすめ。

知人の紹介では、「家族」「大学の先生」などから仕事を紹介してもらったという回答が寄せられました。

出身校に頼れるのは、卒業から間もない第二新卒ならではです。

第二新卒が転職先の条件で重視したことは「満足できる収入」

第二新卒が転職先の条件で重視したこと

第二新卒が転職先の条件で重視したことの1位は「満足できる収入(34人)」でした。

2位「希望の仕事内容である(29人)」、3位「希望の勤務地で働ける(22人)」が続きます。

転職の理由では「希望の仕事内容ではないから」が多かったのですが、転職先の条件に求めることは「収入」という結果に。

実際に個々人の回答でも、「希望の部署に配属されなかったから転職したい」と書いているにも関わらず、転職先に求める条件は「収入」「休日数」「勤務地」「大企業」などとなっている人が散見されました。

転職理由に沿った判断基準になっておらず、転職の軸がぶれている人も多いとわかります。

転職の軸がぶれていると転職しても結局ミスマッチを起こしかねず、採用担当者にぶれを見抜かれて警戒される可能性も。

そのため転職理由と転職先の選び方は、整合性をとっておく必要があります。

1位 満足できる収入

  • 年収が上がるか(女性)
  • 毎月の給料が高いこと(男性)
  • 年収の高さを最も重視しました(女性)

1位は「満足できる収入」でした。

収入に不満があって転職を考える場合には、「収入アップ」「業務量や能力に対して満足できる収入」が条件となります。

第二新卒が年収アップを叶えるコツは、「大手企業に転職する」「経験が生きる職種に転職する」などです。

自分の収入が低すぎると感じる場合は、転職エージェントに相談してみるのもおすすめ。

提案してもらえる求人の内容で、自分の適正年収や市場価値を判断できます。

2位 希望の仕事内容である

  • 教育業界であること(男性)
  • 前職とは違う職種で、デスクワークを重視していた(女性)
  • 対お客様ではなく、対社内の職務であることを重視しました(男性)

2位は「希望の仕事内容である」です。

「職種や業務内容」「業種」などにこだわって転職活動した人も多数。

特定の職種・業種を目指して転職する理由を明確に説明できれば、採用選考でのアピールもしやすくなります。

業種や職種だけではなく、「仕事が社外向けなのか社内向けなのか」という視点で転職活動した人も。

仕事内容を選ぶ基準は人それぞれだとわかります。

3位 希望の勤務地で働ける

  • 転勤がないこと(男性)
  • 通勤時間の短さ(女性)
  • 当時車を持っていなかったため、自宅から自転車で通えること(女性)

3位は「希望の勤務地で働ける」でした。

とくに「自宅から近い」と答えた人が多くなっています。

勤務地を選ぶ基準には通勤時間のほか、「自宅からの通勤手段」「最寄駅からのアクセス」も挙げられています。

また、転勤がないことを条件を挙げた人も多くなり、引っ越しや環境の変化を避けたいと思っている人もいるとわかりました。

4位 休日が多い・取りやすい

  • 休日の数(女性)
  • 年間休日120日以上(男性)
  • 有給休暇がちゃんと取れる(男性)

「休日が多い・取りやすい」が4位でした。

激務で転職を考えた人も多いことから、休日に関する条件も上位にランクインしました。

単に求人票上の休日数を気にするだけではなく、「休みの取りやすさ」まで考えている人も。

また「土日休み」「休日設定が自分の好み」など、いつが休日なのかを重視した人もいます。

5位 残業が少ない

  • 残業の少なさ(男性)
  • 残業時間が少ないこと(女性)
  • 過労は避けられるような職場であること(女性)

5位は「残業が少ない」でした。

前職での残業が多かったため、残業時間を重視して選んだ人もいます。

希望する残業の程度は人によって違い、「ない」「少ない」「日付が変わるのは嫌」などさまざまでした。

第二新卒の転職活動が順調だった人は73.5%

第二新卒の転職活動は順調だったかの円グラフ

第二新卒での転職活動が順調だったかを聞いたところ、「順調だった」「まあ順調だった」と答えた人が、合わせて73.5%となりました。

「第二新卒を採用したい企業は多く、第二新卒は比較的転職しやすい」と言われる通り、順調に転職活動を終えた人が多いとわかりました。

なお企業が第二新卒の採用に積極的な理由としては、「若いため長期的な就業が期待できる」「基本的な社会人力が身についている」などがあります。

まとめ

「新卒入社した会社の仕事内容が合わない」「働き方が合わない」などの理由で、第二新卒のうちに転職する人も少なくありません。

まだ若い第二新卒であれば未経験業種や職種への転職も比較的しやすいので、今の仕事が辛いなら転職を検討してみてはいかがでしょうか。

しかし何度も短期離職すると、企業からの印象が悪くなってしまいます。

そのため第二新卒での転職を検討する際は、自分に合っていてキャリアを積める職場を見つけることが重要。

「なぜ今の会社を辞めたいのか」「自分はどんな仕事がしたいのか、向いているのか」を見極めましょう。

キャリアの棚卸しやキャリアプランの作成が難しいなら、転職エージェントに相談するのもおすすめです。